東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロントにあるアトラクション、「タワー・オブ・テラー」は、お化け屋敷のような怖いストーリーと、フリーフォールが合わさったアトラクションです。
東京ディズニーリゾート”最恐”の同アトラクションは大変人気ですので、混雑の傾向を把握して、少しでも空いている時間を狙いましょう。
また、タワー・オブ・テラーには設定となるストーリー(バックグラウンドストーリー)が細かく作られています。アトラクションに乗る際にこのストーリーの要約は説明されますが、その全貌は説明されません。
ぜひストーリーの全貌を知ってから乗ってみましょう。タワー・オブ・テラーが今までよりも楽しくなりますよ!
この記事では、タワー・オブ・テラーの混雑状況やストーリーの全貌をお伝えしていきます。
「タワー・オブ・テラー」の特徴
マップ
東京ディズニーシーのマップ、8時方向にあります。
バリアフリー
タワー・オブ・テラーは、車いすのまま乗車できません。自力で車いすからライド(エレベーター)に乗り換える必要があります。段差のないルートがあります。
安全バーは、車と同じ3点式シートベルトです。
各種制限
東京ディズニーリゾートの全てのアトラクションでは、2017年より年齢制限が撤廃され、身長制限のみに統一されました。タワー・オブ・テラーは身長102cm未満の方は乗車できません。
高血圧や心臓疾患・首疾患などの各種持病をお持ちの方や、妊娠中・高齢・乗り物に酔いやすい方・自力で安定した姿勢が保てない方も乗車できません。
撮影
スタンバイ列の途中から、アトラクション出口まで、その種類に関わらず全ての撮影が禁止されています。
怖さ
タワー・オブ・テラーはフリーフォールですので、基本的には上下運動のみで、ジェットコースターのような前進運動はありません。
ですが、他の遊園地にある自然落下型のフリーフォールではなく、コントロール制御された落下です。落下は3回ありますが、1月~3月のLEVEL13期間は、落下回数が増えます。
安全バーは車と同じ3点式シートベルトで、しっかりと固定されます。その為、前の座席にしがみつく等できません。絶叫マシーンの落下時の浮遊感が苦手な人や、お化け屋敷が苦手な人は、注意が必要です。
乗り物に乗り込む直前に途中退出もできますので、プレショー(搭乗中により楽しめるように用意された前座のようなもの)のみを楽しんで、搭乗組と退出組に分かれるのもいいでしょう。
ファストパス対象
タワー・オブ・テラーはファストパス対応アトラクションです。通常期は優先度はそこまで高くありませんが、特に待ち時間の増えるLEVEL13期間中は、優先度が高めです。
向いている年齢と類似アトラクション
「タワー・オブ・テラー」は、絶叫系の要素がとても強い為、小さなお子様向けではありません。おおむね、小学校高学年以降に楽しめるアトラクションです。
ぜひ乗りたい、おすすめの類似アトラクションは、
センター・オブ・ジ・アース
東京ディズニーシーにある、絶叫系アトラクションです。地底見学中に火山活動が始まり、急発進・急旋回・急落下をします。
インディージョーンズ・アドベンチャー
東京ディズニーシーにある、魔宮を探検するアトラクションです。左右に揺さぶられる激しい動きのジープに乗って、アクシデントだらけの魔宮を進みます。
スプラッシュ・マウンテン
おとなり東京ディズニーランドにある。急流を下る絶叫系アトラクションです。ディズニー映画「南部の唄」の世界を巡る途中、主人公「うさぎどん」のピンチの度に、ボートが突如落下します。
タワー・オブ・テラーの混雑対策
当ブログでは、パーク内の混雑状況を「A混雑期」「B休日」「C平日」「D閑散期」の4つのレベルに分けています。パークに入園する当日の混雑レベルは、混雑予想でご確認下さい。
「A混雑期」の傾向・・・120分以下なら乗る
開園直後から120分~180分と混雑します。
LEVEL13期間(後述)は300分近くまで覚悟しなければなりません。この状況は20時頃まで続き、20時過ぎのラインカット(閉園時間に間に合うよう並び列を締め切る)直前に90分~120分に落ち着きますが、ラインカットまでほんの一瞬です。
基本的に混雑期はスタンバイで乗らずに、ファストパスの優先度を上げるのが効率いいでしょう。
「B休日」の傾向・・・80分以下なら乗る
開園直後から80分前後の待ち時間は、すぐに100分~150分と伸び、12時頃まで続きます。
12時を回ると60分~100分程度に落ち着きますので、狙い目です。15時を過ぎると再び90分~120分に伸び、20時以降に第二の狙い目80分待ちと推移します。ラインカット(並ぶ列を締め切る)は20時半~21時です。
混雑期同様、ファストパスの優先度を高めに設定しておきましょう。
「C平日」の傾向・・・60分以下なら乗る
開園直後、ほんの短い時間60分待ちの時がありますが、基本的に午前中は90分前後で推移します。
午後になると15時頃まで40分~70分待ちまで落ち着きますので、その時が狙い目です。
15時を回ると20時頃まで60分~90分の待ち時間が続き、20時以降は再び60分以下と推移します。21時20分頃にラインカット(並び列締め切り)されますので、夜の時間を狙う場合は注意が必要です。
「D閑散期」の傾向・・・待ち時間30分以下なら乗る
閑散期のタワー・オブ・テラーも、開園から12時頃まで待ち時間が伸び、50分~60分程度を覚悟しなければなりません。
12時を越えると20分~40分程度に落ち着き、20時頃まで続きます。20時を回ると10分~20分とさらに減りますので、12時以降ならどの時間帯にクリアしてもよさそうです。
LEVEL13期間
例年、1月初週から3月半ばまで、学生を対象とした割引チケット「キャンパスデ―パスポート」が発売されます。
同期間、タワー・オブ・テラーは通常より落下回数の増えた恐怖増パターン「LEVEL13」での運営となります。
「LEVEL13」期間は大変な混雑となりますので、混雑予想の混雑レベルより1ランク上げて対応して下さい。
例)パークの混雑予想レベルが「C平日」の日→タワー・オブ・テラーのみ「B休日」の混雑レベルを参照。
タワー・オブ・テラー混雑対策のポイント
タワー・オブ・テラーは、人気アトラクション「トイストーリーマニア」の隣にありますので、開園直後から混雑します。これは、開園と同時にトイストーリーマニアのファストパスを取得してから近所のアトラクションにスタンバイする人が多い為です。子供連れならタートルトーク、絶叫系ならタワーオブテラー、といった具合です。
これらのアトラクションがあるエリア「アメリカンウォーターフロント」は、先の理由から午前中は大混雑しますので、目当てのファストパスを取得後、速やかに他のエリアに移動したほうが吉です。
午後になると、これまでアメリカンウォーターフロントで楽しんでいた人達が他のエリアへ移動しますので、スタンバイの時間が減ります。この時間が、第一の狙い目です。
夕方になると、逆に開園から他のエリアで楽しんでいた人達がアメリカンウォーターフロントに移動してきますので、再びスタンバイの待ち時間が増えます。
タワー・オブ・テラーのスタンバイ待ち列は、入り口に向かって左手に最後尾があります。また、ファストパス発券機は入り口に向かって右手です。
タワー・オブ・テラーのストーリーを知る・バックグラウンドストーリー
大富豪のハリソン・ハイタワー三世は1886年、父親から受け継いだ自宅をホテルに改装する為、ロシアの建築家オスカー・キルノフスキーにデザインを依頼しました。
ところが、スタイリッシュなデザインを採用したキルノフスキーにハイタワーは激怒し、解雇してしまいます。
自己顕示欲が強く傲慢なハイタワーは、ニューヨーク全体を見下ろせる、威圧感のあるホテルを、自身でデザインする事にしました。
1889年に着工し、いよいよ14階建ての「ホテルハイタワー」が完成したのです。
また、ハイタワーには冒険家の一面もあり、執事のアーチボルト・スメルディングと共に世界中を旅しては、世界中の珍しい骨董品を集めていました。
ちょうどコンゴ川流域を旅していた時、原住民ムトゥンドゥ族が持つシリキ・ウトゥンドゥという偶像に目を付け、ムトゥンドゥ族の首長キジャンジをだまし、ハイタワーはその像を奪い去ってしまったのです。
シリキ・ウトゥンドゥはスワヒリ語で「災いを信じよ」という意味を持つ、別名「呪いの偶像」。
呪いの偶像には、とても厳しい掟がありました。掟を破ると災いが起こると言います。
偶像を敬い、怖れなければならない
雨や風にさらしてはならない
屋内に置いてはならない
閉じ込めてはならない
埋葬したり、あげたり、捨ててはならない
そんな恐ろしい偶像を手放したいキジャンジは、掟に反する「あげる」形ではなく、ハイタワーに奪わせるという形で、偶像を手放しました。
ところが偶像をだますことなどできるわけもなく、キジャンジは呪いに掛けられ、他の部族の襲撃に遭うという形で殺されてしまいます。
偶像の呪いなど信じる様子もないハイタワーは、1899年大晦日、自身の建てたホテル・ハイタワーでの帰還パーティーの記者会見で、シリキ・ウトゥンドゥを披露。
会見にはハイタワーが持っている新聞社、国際会報配信エクスプレス・サービスの記者ギルバート・ミッチェルや、ニューヨークグローブ通信の新聞記者マンフレッド・ストラングなど名だたる記者が集まりました。
パーティーも終わりに差し掛かる頃、ホテル最上階の自室に偶像を飾るためにハイタワーはエレベーターに乗り込みました。
そして、「偶像の呪いに気を付けろ」と言う執事のスメルディングの助言を笑い飛ばし、「呪いが存在するなら見せてみろ」と、吸っていたタバコの火を偶像に押しつけたのです。
ハイタワーの乗ったエレベーターが最上階に到着する直前、突然ホテルが停電。次の瞬間、緑色の稲妻が落ち、ホテルの窓は割れ、ハイタワーの乗ったエレベーターは一気に急降下。1階まで落ちてしまいました。
近くに居合わせた執事のスメルディングと新聞記者のストラングがエレベーターの様子を見にいくと、中にはハイタワーの姿はなく、ハイタワーの帽子と呪いの偶像シリキ・ウトゥンドゥだけが残されていたのです。
ハイタワーの謎の失踪からホテル・ハイタワーは閉鎖され、やがて人々からは「恐怖のホテル(タワー・オブ・テラー)」と呼ばれるようになりました。
記者ストラングは事の真相を暴こうと取材を進めます。ムトゥンドゥ族の首長キジャンジの息子キブワナが、間一髪襲撃からニューヨークに逃れて、SSコロンビア号の石炭供給者として働いている事を突き止めたストラングは、キブワナを取材しますが、有力な手がかりは得られませんでした。
ハイタワー失踪の真相が不明なまま時は過ぎ、幼少の頃からハイタワーと確執のあったコーネリアス・エンディコット三世が、閉鎖されたままのホテル・ハイタワーを取り壊し、ホテル・エンディコットを建設すると言い出しました。
エンディコットは豪華客船SSコロンビア号の持ち主。セオドア・ルーズヴェルト大統領やウィリアム・ハワード・タフト大統領を招待して行われるSSコロンビア号の出航セレモニーと共に目玉にでもするつもりだったのでしょうか。
ところが、エンディコットの末娘ベアトリス・ローズ・エンディコットがホテルハイタワーの取り壊しに猛反対。
ローズはチェスター・ファリントン・ウールブールの書いた著書「ハイタワー三世 真実の冒険物語」を読み、ハイタワーを崇拝していたのです。友人のアイリスと共に「ニューヨーク市保存協会」を設立し、価値のある建築物として、ホテル・ハイタワーを残す事にしました。
そして1912年、ニューヨーク市保存協会によって、ハイタワーのコレクションを鑑賞し、ハイタワー失踪の真相を探るべく業務用エレベーターに乗り込み、彼のプライベートルームを見学すると言う、ホテル・ハイタワーの見学ツアーが企画されました。
瞑想の庭園の像コレクション
タワーオブテラーは、建物左側に2つの庭園があり、待ち時間が伸びると庭園もスタンバイ列として利用されます。待ち時間が100分を越えた時にしか入る事ができない、「瞑想の庭園」を詳しく見ていきます。
瞑想の庭園には、ハイタワーが世界中から集めた像が9体立っています。しかし、ハイタワー失踪から13年間、庭園は手入れされていない為、像は壊れ、草木は伸び、地面はひび割れている状態に。
庭園入り口に左右に対で並ぶのは、女性の頭と獣の体を持つヴェネチアのスフィンクス像。
ヴェネツィア人にとってエジプトは聖マルコの地。切っても切れない関係があります。
続いて時計回りにインド神話の女神、カーリー像。
カーリーは災いから人々を守ってくれる半面、自ら災いをもたらす二面性を持っており、生と死、両極端を意味する女神です。裏側からみると・・・
その裏表が、まさに生と死。
続いて聖アーデン像。竜の子供を抱いています。
次のクレオパトラの像は、13年の放置の末、倒れてしまい、草木に埋もれています。注意深く探さなければ見つかりません。
次の像は、メソポタミア神話に登場する鷲の翼を持つ獅子「アンズー」が起源とされるペルシアの有翼スフィンクス。有翼スフィンクスは、女性像は貴重なのだとか。
続いてアステカの戦いの女神。倒れてしまわぬよう、添え木がされています。
足だけ残った古代ローマ愛と美の女神、ヴィーナス。
頭部が取れてしまったギリシャ神話の女神、アフロディーテ。
最後は時間と空間を司る、インドの女神ターラ。
ハイタワーは、これらの女神像を集め、この庭園にコレクションしました。そして、この庭園で過ごす時間が、ハイタワーにとって、優雅な時間だったというのです。スタンバイ列が瞑想の庭園にまで及んだ際には、ぜひともハイタワーの女神像コレクションを楽しんでみてはどうでしょうか。
これより先はネタバレが含まれます。アトラクション体験前はご注意下さい。
「ここから先に行ってはならん!私の忠告を聞け!」
タワー・オブ・テラーの雑学・細かな設定
「なぜ忠告を聞かなかった!」
・ホテルの外見は最上部が横に突き出したバランスの悪い不思議な形をしていますが、完成間近でハイタワーが部屋を増築させた為なんです。
・タワー・オブ・テラーのキャストは、ニューヨーク市保存協会の職員。
・タワー・オブ・テラーのファストパスは、ファストパスではなく無料見学券。・・・ということは有料券もあるんですかね。あ、バケーショry・・・
・あくまでも見学ツアーなので、僕たちの乗ったエレベーターが落ちたりしている事を、ニューヨーク市保存協会の職員であるキャストさんは知りません。・・・その割に、業務用エレベーターにシートベルトって、、
・タワーオブテラーの建物には、世界中様々な建築様式が取り入れられています。世界を治めたいハイタワーの欲なんですね。
特にインドが目立つかな・・・?
・ニューヨークグローブ通信のオフィスは、ブロードウェイミュージックシアター(ビックバンドビートを上演している建物)の中にあります。
・タワーオブテラーには、不吉な数字「13」が、いたるところに隠されています。
ハイタワーの部屋があるのが13階
ハイタワーは13年かけて、世界中からコレクションを集めた
バックグラウンドストーリーで紹介した赤文字の登場人物が13人
・ロビーにある暖炉には、ハイタワーにちなんで漢字で「高塔」と洒落こんでいます。
・出口にあるショップは、ハイタワーお気に入りのプールだった場所。水の部分を埋め立てただけなので、いまだに飛び込み台があり、そこに商品が並んでいます。
・瞑想の庭園には、書き掛けのキャンパスが。
描かれている女性はベアトリス。奥の像はアフロディーテ。まだ頭が取れる前です。そしてこの絵を描いたのはスメルディングだと言われています。
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