東京ディズニーシーでどっしりと構える建築物と言えば、パーク中央にそびえるプロメテウス火山(自然にできた山という設定なので、本来は建築物と呼んではいけないのかもしれない)とタワーオブテラー、それにS.S.コロンビア号ではないでしょうか。
今回は、「シー3景(僕が勝手に決めました)」の中から、S.S.コロンビア号を詳しく紹介したいと思います。
初めてディズニーシーを訪れた時、パークの中にでかい客船がある事にビックリしたものです。設定が海なので、当たり前と言われれば当たり前なのですが。
このS.S.コロンビア号にまつわる疑問を、いくつか解決していきたいと思います。
「S.S.」ってなんの略?
造船会社の名前の略だとか、設計者の名前の略だとか、想像に尽きない略文字ですが、実はこれ、「艦船接頭辞(かんせんせっとうじ)」と言われる物です。その船がどんな船なのかを表した記号なんですね。
S.S.とは「Steam ship(スチームシップ)」の略。つまり、蒸気船を表す接頭辞です。この接頭辞が船名に追加されているだけで、誰にでも
「あぁ、この船は蒸気船なのね?」
「つまりこの船にはボイラー室があるのね?」
こんな具合に分かりやすくなるのです。
ちなみに、接頭辞は必ず表記しなければいけない決まりはありません。
そして、ディズニーシーで船と言えば、「トランジットスチーマーライン」があります。
トランジットスチーマーラインは外輪船。外輪船を表す接頭辞は「P.S.」です。
コロンビア号の中には入れるの?
これ、意外と皆さん知らないようで、ただの飾りの船だと思っている方が多いようです。
「コロンビア号に入れるかどうかは知らないけど、タートルトークは大好きで毎回行きます。」なんて人も。タートルトークはコロンビア号の中にあるんですよ!
タートルトーク以外にも、レストランが2つ入っています。3階にあるプライオリティシーティング対象レストラン「S.S.コロンビア・ダイニングルーム」では、美味しいローストビーフを食べる事ができます。
3階にはガイドマップにの載っていないトイレもあります。レストランの外にあるトイレですから、誰でも自由に使う事ができますし、ガイドマップに載っていないので、とても空いていますよ!
コロンビア号では、デッキへも自由に出る事ができます。船首でタイタニックごっこもできますぞ!
ぜひお試しを!
コロンビア号は実在した?
「コロンビア」という名前は、船などの名前として度々使われます。そういった意味では、実在していたとも言えます。でも、そういう事ではないですね。
実は、ディズニーシーにあるコロンビア号にそっくりな船があると言うのです。その船をモデルとして、コロンビア号が作られたのでは?との話を聞きました。その船とは、かの有名なタイタニック号です。
全長はタイタニック号の半分しかありませんが、その他のスペック(設定上)はほぼ同じ。さらには進水や処女航海年(設定上)も同じ。姉妹船の隻数や造船中の写真(設定上)までそっくりなんですから、こりゃもう間違いなさそうですね。
では、早速タイタニック号の写真を見てみます。
出典・http://kenshin2013.blog.fc2.com/
タイタニックの写真は当然白黒ですが、記録によると、各パーツの色はコロンビア号そっくりとの事。では、今一度、コロンビア号の写真も見てみましょう。
一見そっくりな外観ですが、コロンビア号とタイタニック号を見比べて、大きな違いがあるのが分かりますか?
実は、コロンビア号のほうが、煙突が1本少ないんです。
タイタニックの煙突は4本
タイタニックが造船された1900年代初頭、蒸気船のエンジン部分にあたる「機関」1つに対して1本の煙突を建てるのが普通でした。つまり煙突4本は、機関が4基ある事を意味します。機関が多ければ多いほど、船は早く動く。当時はアメリカーヨーロッパ間をいかに早く移動できる船を造るかを、国家の威信をかけて競い合っていた時代でしたから、機関が多い=煙突が多い蒸気船を造る事がステータスだったのです。
そして当時の蒸気船で最多機関搭載船は、4基の機関を載せた船でした。つまり、煙突が4本立っている船は、最先端の蒸気船だったのです。
ところが、機関を増やすと建造費が跳ね上がるばかりか、運行にかかる燃料費もかさみます。普通、その補填を政府の援助で賄うのですが、タイタニックはイギリスの企業でありながら、資本はアメリカでした。その為、イギリス政府の援助が受けられず、機関は3基としました。
しかし世間の印象は、煙突4本=良い船でしたから、タイタニック号は4本目のダミーの煙突を建てたのです。
出典・http://www.h7.dion.ne.jp/
ダミーの煙突からは煙が出ていない事が分かります。
コロンビア号の全長はタイタニック号の約半分ですので、バランスを保つ為にタイタニック号より煙突を1本少なくした、という見方もできます。が、ここまでやるか!ってくらい細部まで作り込むディズニーですから、タイタニック号をモデルとしたのならば、ダミーの煙突も再現するはずです。ダミーがある事によって、バックグラウンドストーリーの幅も広がりますし、わざわざダミーの煙突を排除するのは不可解でもあります。どうやら、コロンビア号はタイタニックをモデルにしたわけではないようです。
そこで、他にもそっくりな船が無いか、調べてみました。
クイーンメリー号にそっくり
ロサンゼルスのロングビーチに停泊しているクイーンメリー号なる船を発見しました。
出典・http://www.arukikata.co.jp/
そっくり!サウサンプトン – シェルブール – ニューヨークを毎週行き来できるように計画された船だそうで、設定がニューヨークのコロンビア号との相性もばっちり。
しかし、船のスペック面や時代背景が一致しません。
結局、どの船がモデルなの?
強引に結論を出すとすれば、外観はクイーンメリー号、各種設定はタイタニック号をモデルにした、という事になります。とは言え、タイタニック号には外観がそっくりな姉妹船も存在しますし、当時は似たような船が多く作られていたようです。もしかしたら、他にもコロンビア号のモデルになった船があるのかもしれませんね。
コメント
ロングビーチのクイーンメリーは過去にディズニーが、所有してました。
実際にクイーンメリーでポスターを購入しましたが、ポスターにディズニーの文字が入ってます。
わたしは額装するときディズニーの文字に額を被せてしまいましたが、、
いまも所有してますよ。
kittykoさん>
コメントありがとうございます。
クイーンメリー号がディズニー所有だったなんて、知りませんでした。確かにクイーンメリー号が停泊している周辺にディズニーシーのようなパークを作る計画もありましたし、繋がっていたんですね!貴重な情報、ありがとうございました。