東京ディズニーシーに7つあるテーマポート(エリア)のうち、「メディテレーニアンハーバー」はディズニーシーの玄関口。パークを訪れる誰もが必ず通るテーマポートです。
「メディテレーニアン」は地中海という意味。その名の通り、イタリアの街並みを忠実に再現した3つのエリアを、順にご紹介していきます。
イタリア北西部の港町、ポルト・パラディーゾ
メディテレーニアンハーバーのの3つのエリアのうち、おおきなハーバー(湾)とホテルミラコスタがある玄関口を、「ポルト・パラディーゾ(パラダイスの港)」と呼びます。
ポルト・パラディーゾは、イタリア北西部の港町、ポルトフィーノをモデルに作られました。
小さな漁村でありながら、リゾート地としても有名なポルトフィーノ。いったいどんな所なのでしょうか。
「港の終わり」との意味を持つポルトフィーノは、その名の通り海辺に広がる町です。カラフルな建物がずらっと並ぶ様は、とても美しいですね。
次にディズニーシーのメディテレーニアンハーバー、ポルト・パラディーゾをご覧ください。
ポルトフィーノをモデルにしているだけあって、そっくりではありませんか!
少しづつ増築をした結果・・・
ポルト・パラディーゾに広がる繋がったように見える建物。この建物の一番左には、ピザやパスタ料理が楽しめるレストラン「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」があります。
かなり年季の入った建物ですね。レストランの名前にも使われているザンビーニ3兄弟は、ポルト・パラディーゾにやってくるお客さんの為に、自分のレストランの右横にホテルを増築しました。お客さんが増える度に増築を繰り返した結果、
右に行くにつれ、建物が少しずつ新しくなっていきます。一番右側は
やはり一番新しいのです。
歴史背景も再現
ポルト・パラディーゾの建物の写真を眺めていると、窓がたくさんある事がわかります。ですが、よく見てみると、その一部が絵になっています。
これはトロンプ・ルイユと呼ばれるだまし絵で、実際にイタリアの建物の多くに採用されています。ディズニーシー建設の際、現地から職人を呼んで書いてもらったそうで、
「決して手抜きではないんですよ!(ガイドツアーキャスト談)」
そして窓に注目すると、もうひとつの変わった特徴が。
窓が所々、木で埋められています。かつてヨーロッパ各地では、窓の数によって税金が変わる「窓税」を導入していました。税金を逃れる為に窓を埋めてしまった名残が今でも残っており、そんなところも再現しているんですね。
小さな通りにも遊び心
ポルト・パラディーゾは、メインのハーバー前の通りの他にも、様々な小道があります。
先ほど紹介したレストラン「ザンビーニ・ブラザーズ・リストランテ」と、文房具屋「イル・ポスティーノ・ステーショナリー」に挟まれた緩い坂道。この坂道は「ドナルド通り」と呼ばれる通りで、ちゃんと通りの名前を記した標識が掲示されているんですよ!
入園して左手にある洋服屋「フィガロズ・クロージア」と、お菓子屋「マーチャント・オブ・ヴェニス・コンフェクション」の間には、アトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」方面に抜ける「ジミニ―クリケット通り」があります。
映画「ピノキオ」の舞台はイタリア。そんな関係で、ジミニーの名前が使われたのでしょうね。
こちらはグーフィー通り。中央救護室の隣にある階段です。
ヴェネツィアン・ゴンドラ方面へ抜ける小道で、パーク入り口から遠い方のこちらは、「ミニー通り」。このミニー通りを抜けると、そこにはヴェネツィアをモデルにした運河の町、パラッツォカナルが広がります。
運河の町、パラッツォカナル
メディテレーニアンハーバーのエリアのひとつ「パラッツォカナル」は、イタリア北東部にある「水の都、ヴェネツィア」をモデルにした、運河の町です。
出典・WE❤EXPEDIA
水の都・ヴェネツィアでは、車が通れるような大きな道は皆無。住民の移動手段は、運河を走るゴンドラやボートです。建物の玄関は河側にあり、そこからゴンドラやボートに乗り込みます。写真左手奥に複数顔を出している赤と黄色のシマシマのポールは、ゴンドラなどを係留しておく為のもの。玄関口にはこのポールが必ず設置されています。
ディズニーシーのパラッツォカナルはどうでしょうか。
再現度が素晴らしい。
パラッツォカナルもポルト・パラディーゾ同様、様々なこだわりが隠されています。
時代により守護聖人が異なる
アトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」の乗り場の上を見上げると、
ワニの上に立つ「聖テオドール」の像があります。ギリシャ由来のテオドールを、ヴェネツィアの人々は、永らく守護聖人としてきました。やがてヴェネツィアが東ローマ帝国と対立するようになると、東ローマ帝国が支配下に置くギリシャ由来のテオドールの支持が減り、新たに聖マルコが支持を集めるようになったのです。
守護聖人、聖マルコの象徴は、翼の生えた獅子。
レスランの看板を始め、いたるところに有翼獅子の姿があります。
モデルとなった本場ヴェネツィアでも、いたる所にその姿があるそうですよ。
洪水に弱い町
ヴェネツィアは「水の都」と言えば聞こえは良いですが、生活を川に頼っていると心配なのが、洪水です。特にヴェネツィア特有の地形から、季節風「シロッコ」の風の勢いが高まると厄介。満潮のタイミングと重なると高潮が起こり、都市内部まで浸水してしまいます。
現地ではこの高潮を「アクア・アルタ」と呼び、警戒しているそうです。
ディズニーシーのパラッツォカナルでも、このアクア・アルタの爪痕を見る事ができます。
高さの異なる白い線が2本、パラッツォカナルでは過去に2回のアクア・アルタの被害があった事がわかります。
その他にもパラッツォカナルには、様々なこだわりがあります。詳しくはアトラクション「ヴェネツィアン・ゴンドラ」のページで紹介していますので、ぜひご覧ください。
エクスプローラーズ・ランディング
メディテレーニアンハーバーの中でも、少し離れた場所、ポルト・パラディーゾの対岸にある要塞エリアが、エクスプローラーズ・ランディングです。
大航海時代のイベリア半島の要塞を再現したエリアですが、プロメテウス火山のふもとにある為、メディテレーニアンハーバーではなくミステリアスアイランド所属と勘違いしている人も多いかと思います。
なぜメディテレーニアンハーバーの他のエリアと離れた場所にあるのか、その答えは、モデルとなったイベリア半島にあります。
イベリア半島は地中海と大西洋を隔てる半島。つまり、地中海の終わりはイベリア半島なのです。そして、そこから先は別の海。
メディテレーニアンハーバーは地中海そのものですから、地中海の終わりにはイベリア半島をモデルにしたエクスプローラーズ・ランディング、その先はミステリアスアイランドという別の海に繋がります。
エクスプローラーズ・ランディングの詳細はアトラクション「フォートレス・エクスプロレーション」ページをご覧ください。
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